岩手福寿会 介護支援専門員(ケアマネジャー)の 長谷川一彦さん
本日のゲストは
奥州市水沢区 社会福祉法人 岩手福寿会
介護支援専門員(ケアマネジャー)の
長谷川一彦さんです。
岩手県介護福祉士会 胆江広域支部支部長も努めながら
介護福祉士の職業倫理、資質の向上、
地域の福祉へ力を注がれている方です。
ではさっそくインタビューをお聞きください。
◆福祉の仕事をはじめるきっかけは?
ここに至るまでいろいろまわり道をしたように
思いますが、
根底にあるのは父への思いかなと・・・
中学生のころパソコンにすっかりはまりまして、
機械いじり、物作り
そういうことに興味があったので
工業高校に進みました。
そのころ父が認知症になりまして
(当時は認知症という言葉も知りませんでしたが)
介護が必要な状態になり、
母が一人で仕事と介護を背負っていました。
私はというと、自分のことだけで
父の介護に行くこともあまりなかったように
思います。
今思うと、父が父でなくなっていく・・・
そんな現実が受け止められなかったんだと思います。
高校で機械ばかりいじっていたら
人とかかわることがしてみたくなって
工業高校から幼児教育の学校に進みました。
母が父の介護で苦労をしているのを見てきたので、
子供とのかかわりがいいかな〜なんて
単純に思ったわけですが・・・
でもそんなに甘い世界ではなかった。
いろいろな施設に実習にいくんですよ。
生まれてからずっと障害を抱えて
寝たきりの子供だったり・・・
当然のことながらいろいろな子供たちがいるわけです。
そこで働いている人たちはその子供たちと
同じ目線・対等な立場で接しているんですよ。
私はかわいそうだと思ってしまう。
ダメだと思いました。
自分にはこの仕事はできない。
すっかり挫折してしまいました。(^^;)
なかなか自分にあった仕事を見つけられないまま
次にメガネ店に就職。
まわりの人たちに恵まれて
とてもいい環境で楽しく仕事を
させてもらっていたのですが・・・
そんな時、父が亡くなり
私は父になにもしてやれなかったという
思いだけが残りました。
そして仕事をしていても
どうも自分の中に"もやもや"したものがあるんですね。
それが何だかわからないんですが・・・
何かが引っかかっているようで・・・・
そしてある日、友人が福寿荘で働くという話を聞いたんです。
父がお世話になった施設でもあったし
自分の中のもやもやしたものも解決するかなあ
自分も行ってみるしかないと思ったわけです。
長い道のりでした。(笑
◆お仕事へのモチベーションは?
結局この仕事が好きだということに
尽きると思うんです。
もちろん利用者の方やご家族の方に
喜んでいただけることは嬉しいことですが。
イヤイヤやっていたのでは続きませんから。
現在、職場から
大学で福祉学ぶ機会をいただいているのですが、
勉強することによって現場での問題も
理解できることがたくさんあります。
そしてこうして仕事で利用者の方のお世話をさせて
いただきながら、
父への思いを埋めているような気もしますし・・・
◆介護福祉士会の活動内容は?
・介護福祉士の資質の向上
・知識、技術の向上
・地位向上
などを通して地域の福祉増進に寄与することを
目的としていますが、具体的活動としては
・介護福祉士、介護支援専門員の受験対策講座
・認知症フォーラム
・介護技術講演会
などです。
介護は人と人が支えあう福祉のサービスですから
職場ではいろいろな問題にぶつかることもあります。
そんなとき、ともに語り合え、解決をめざす仲間が
いることが助けになります。
そして内部の勉強会はもちろんですが
外に向けて、認知症など介護の現状を
知っていただくことも大切だと思います。
◆今後の展望は?
介護が必要な方とその家族だけを
見ていてはだめだと思うんです。
地域との連携が必要です。
手助けが必要なのに言えなくて
家族だけで抱えていることも多いです。
また老人介護だけではなく
障害児、障害者など手助けが必要な方たちの
横のつながり、ネットワーク作りが大切だと思います。
その上で地域との連携、地域全体で支える仕組み
が必要だと思います。
そのためにまずは知ってもらうこと。
フォーラムなどを通して
・認知症などを理解してもらい
・現状を知って
・介護、福祉のあり方を考えてもらいたい
と思います。
そういう発信をしていきたいですね。
◆最後に子供たちへのメッセージをお願いします
私もずいぶんまわり道をしたような気がしますが
その途中の経験に無駄なことはぜんぜんなかったですね。
やりたいことがいろいろな事情で
今すぐできるわけではないかもしれないけど
でもやりたいと思ったこと、興味を持ったことは
大切にもっていてほしいですね。
いつ やりたかったことへの
きっかけやチャンスが来るかわからない。
ひょんなことから・・・というのは
本当にあるものですよ!
■編集後記
介護サービスは、提供する側も受ける側も
多くのことを抱えていることを知りました。
(具体的に書ききれなくてすみません)
そんな中で、もし長谷川さんのような方に
出会えたらきっと幸せです。
利用者とそのご家族の事情を本当に深く理解しようと
されていて感動〜です。
そして地域の福祉を見つめるまなざしも
"きらり"でした。
(C) 2010 奥州市の未来が変わる・キーマン100人インタビュー